安心日和第六番札所 瑞應山 満福寺・トップイメージ
    • 第三番札所瑠璃光山 醫王寺
    • 第五番札所龍光山 釜滝薬師 金剛寺
    • 第七番札所寳光山 玉泉寺
    • 第十番札所岳原山 泉福寺
    • 第二番札所寳閣山 蓮花寺
    • 全体高野長峰霊場会 五胎健全祈願所
    • 第九番札所天徳山 大日寺
    • 第一番札所幡川山 薬師院 禅林寺
    • 第四番札所寳琳山 大観寺
    • 第六番札所瑞應山 満福寺
    • 第八番札所勅願山 惣福寺
    第六番札所 瑞應山 満福寺
    • 御本尊 … 十一面観音
    • 御誓願 … 開運厄除
    • 御真言 … おん  まかきゃろにきゃ  そわか
    • 御詠歌 … むかしより  ちかいはいまに  かわらどう
      御詠歌 … いちょうのそらに  てらすつきかげ
      当山は光仁天皇の宝亀元年( 西暦770年 )に、唐僧為光上人によって開かれました。
      御本尊十一面観世音菩薩は聖徳太子作(紀伊続風土記に記される)、脇仏に四天王を配します。
      鎌倉時代、神野荘が高野の寺領となったのちは、高野山の末寺にして高野の西を治める古刹となりました。当時は七堂伽藍を有し隆盛をみていましたが、天正13年に豊臣秀吉の紀州征伐により全ての堂塔が焼失し現在に至ります。
      本堂には室町時代の瓦が今も葺かれています。貴志川の河原にあり、神野の氏寺であるところから、かわら堂神野寺として万民に親しまれています。
      観世音菩薩とは、一切衆生を観察して自在によくこれを救い、また一切諸法を観察すること、無碍自在であるところから、特に運を開き、厄を除く『開運厄除』に霊験あらたかとされます。
      旧初午には平安時代より伝わる、大般若六百巻転読大法会ならびに一枚一斗もの大餅投げが修され、開運厄除・五穀豊穣・家内安全・除災与楽の大祈願法会が盛大に厳修されます。
    銀杏とかわらどう  銀杏法話  01
      満福寺には樹齢200年を越えるイチョウの木があります。満福寺の御詠歌に『むかしより  ちかいはいまにかわらどう  いちょうのそらに  てらすつきかげ』と謳われ、現在の本堂には室町時代の瓦が今も多く葺かれていて、村のシンボルとしてお堂をかわら堂と呼んでいます。また、願い事が変わらないという意味も含め『かわらどう』と謳われています。
    銀杏とお寺  銀杏法話  02
      イチョウは、氷河期以前の約2億5千万年前の植物で、地球上に存在する植物の中では最古の類に属します。イチョウは社寺に多く植えられています、何故植えられているのでしょう?紅葉が綺麗だから。木陰を作る。風除け。それだけではありません。イチョウは紅葉し落葉しても燃えません。灯油をかけても表面しか燃えません。万一近隣に火災が起きたときに、火の粉が飛んできても大切なお堂に燃え移らないために先人が植えているのです。200年以上前の先人の智慧が今に生きています。高野山には高野槙が寺院を囲むように多く植えられていますが、高野山は度重なる落雷で大火がおきました。高野槙の燃えにくい性質をいかして植えられています。バベの生垣も同様で火災から家を守るためにつくられました。
    銀杏の効能  銀杏法話  03
      近年イチョウ葉エキスのことが取り沙汰されていますが、主な効果・効能は血流改善だそうです。特に脳や毛細血管の血行が大変良くなるため認知症(ボケ)、高血圧、耳鳴り、神経痛、頻尿、冷え性、アレルギーの改善などに効果があり、血行が悪いために起きてしまう様々な症状にイチョウ葉は効果を発揮すると言われています。先人の智慧には感服させられます!
    銀杏の掃除  銀杏法話  04
      イチョウは社寺に於いてはとても大切な木ですが、落葉時は閉口します。落葉は平年ですと11月中旬頃から落ちだし2週間位で全ての葉が落ちます。庭に敷き詰められたイチョウの葉のジュータンの美しさに見とれますが、3日位で葉は萎れ地面にこびり付いて箒で掃くのが困難になります。イチョウの葉が落ち出すと箒を持つのが日課です。掃いても掃いても一風吹けば元の木阿弥です。それでも掃かなければそれ以上に大変な事になり、最悪は手で拾うしかありません。
      お釈迦様の弟子の一人で、十六羅漢の一人でもある『周利槃特(チューダ・パンタカ)』は、兄・摩訶槃特の勧めで仏弟子になりましたが、4ヶ月を経てもお経の一偈も記憶できず、兄もそれを見かねて精舎から追い出し還俗させようとしました。お釈迦様はこれを知って、彼に一枚の布(あるいは一本の箒)を与え、東方に向かって、『塵や垢を除け』と唱えさせ、精舎を払い浄めさせました。彼はそれにより、汚れが落ちにくいのは人の心も同じだと悟り、ついに仏の教えを理解して阿羅漢果(煩悩が全て消え、『悟り』『仏陀』『目覚めた者』)を得ました。高野山では掃除の事を下座行(げざぎょう) といってとても大切な修行の一つです。周囲を綺麗にする事で清々しい気持ちになり心も浄められます。お大師様の教えに『心暗きときは即ち遇う(あう)  所  悉く(ことごとく) 禍(わざわい)なり、眼明らかなれば即ち途に触れて皆宝なり』『迷いや悟りというものは、自分自身の中にあるのだから、悟り(幸せ)を求めようとする心を起こせばすみやかに悟りに到達できる』と言われています。でも、一風吹けば元の木阿弥です。人間の心も常に掃き続けることが肝要ではないでしょうか。
    銀杏の位置  銀杏法話  05
      因みに、イチョウの木はお堂に対してどちら側に植えられていると思いますか?寺院の本堂は基本的には南を向いています。また、鐘楼は時を告げる物ですから、撞木(鐘を撞く木)は東から西に動いて鐘を鳴らすように作られています。これだけ解れば方位がわかりますね。古人は山並みを観察したり、木の生え方を見て方位を知りましたが、現代人は便利なGPSやカーナビ等の文明の力でその様な能力は退化しつつあります。もし道に迷えば社寺を見ると方位が解ります。
    銀杏を食べる  銀杏法話  06
      満福寺のイチョウは秋彼岸頃に実(銀杏)を落とします。悪臭を放ちますが茶碗蒸し等に入れるととても美味しいです。封筒に15粒くらい入れて電子レンジで50秒程加熱をすると渋皮まで綺麗に剥け、酒の肴には最高です。銀杏を拾われたら直ぐに果肉を洗うのではなく、1ヶ月程土に埋めてから洗うと甘みが増します。果肉にはギンコール酸などを含み、漆などのようにかぶれなどの皮膚炎を引き起こします。車に落ちると塗装が変色します。ご注意ください。
    お寺とは  銀杏法話  07
      お寺は葬儀や先祖供養をするところだけではありません。生きる指針、心を一緒に学ぶところでもあります。紀美野町には弘法大師ゆかりの地が沢山有り素晴らしい処です。先人の智慧を学び自然の叡智に触れてみませんか。