- 御本尊 … 薬師如来
- 御誓願 … 子安・安産
- 御真言 … おん ころころ せんだり そわか
- 御詠歌 … 阿りがたや 子安の薬師の ごりやくお
御詠歌 … うけ志うぶ子の おいたちぞよき
当山は明恵上人の開基とされます。上人は760有余年前、熊野詣の折、日高有田の里を経て高野山への巡錫の途中に当地に立ち寄られ、上人守護自念仏である薬師如来を草庵に安置なさいました。以降、諸人の無病息災・諸願成就の寺とされ、諸人の厚き信仰を集めました。
当寺に伝わる話に、このようなものがあります。
──流産をした女性が、鰐口(仏堂の前に下げられた鐘)の布の緒にすがり、薬師如来に一心にご加護を念じたところ、緒が切れ落ち腹にからんだ。その緒が薬師の恵と覚り、持ち帰り腹帯とすると、安産となり、玉のような子を授かった。また、乳に恵まれ、その子はすくすくと成長した。このことが村人から諸人に伝わり、薬師様の鰐口の布緒をお受けになる人がこぞって参拝するようになった──。
以来、当寺は、『阿りがたや子安の薬師のごりやくおうけ志うぶ子のおいたちぞよき』と謳われ、子安安産のご利益がある寺、由緒ある名刹として今日に至っています。
本堂内陣には子安観音、皮膚病平癒の毘沙門天、諸願成就の不動明王、延命地蔵尊等を安置しております。また、安産御祈願の方に安産祈祷の腹帯をお授けしております。