安心日和第十番札所 岳原山 泉福寺・トップイメージ
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第十番札所 岳原山 泉福寺
  • 御本尊 … 十一面観音
  • 御誓願 … 
  • 御真言 … おん  まかきゃろにきゃ  そわか
  • 御詠歌 … いく度も  参る心は  あらたなり
    御詠歌 … るりの流水は  長き谷川
  当山は安永4年乙未の正月16日に建立されました。御本尊の十一面観音は鎌倉時代の作と伝えられ、初代住職に真清和上が座られました。
  境内には安元2年(1175年)重源作の釣鐘があります。平安時代より山野に響きわたり、人々の耳に時をつげ、心に安らぎを与え煩悩を消除せしめる、和歌山県最古の梵鐘は、国の重要文化財に指定されています。
  この鐘は、『人々は此の鐘音一度開けば難病たちまちにして去り、心安住にして千里の仏音を聞く』と伝えられています。
  また、当境内には支那事変並びに、大東亜戦争による、戦没者の供養塔が約300基を数え、その内に東条英樹並びに山本五十六等将官の供養塔約100基も含まれています。
はなしを聞く  耳を澄ます01
  当寺は耳の祈願所として親しまれています。
  真言宗宗祖の弘法大師は『一切の生きとし生けるものは、みな自分の両親であり先生である』と云っております。このことは『自分以外はみな人生の師匠なり』と思いなさい、という言葉に通じます。要は学ぼうとする気持ちが大切で、そうでないと、どんな言葉も耳に入りません。人の言葉に耳を貸さないことの意味である『馬の耳に念仏』や『馬耳東風』など、たとえがありますが、どちらも、人のはなしを聞くことの大切さをことわざにしてたとえられて来たのです。
聞いてつながる  耳を澄ます02
  人間はこの世に誕生して最初に外の世界と接するのが、聞くことです。
  亡くなりかけたひとも、よく子供や孫の呼ぶ声によって引き戻された、というのもよく聞きますが、これも聞くことによって、意識を取り戻せるということを表しています。
  私たちは元気に暮らしていると、ついつい自分勝手な言い分だけを話して、人の意見を聞くことを忘れてしまっています。悩み話や自慢話、他人の悪口などはいくらでも出てくるけど、いざ聞かされる方になるとうっとうしく感じられます。しかし、話している人の気持ちになって聞いてみると、その人はその人なりの悩みや苦労、また話すことによって、その人のストレスが晴らせるのならば、聞いてあげてください。
真剣に聞く  耳を澄ます03
  私の高野山の師匠が、僧侶になって一番大切なことは、はなしを聞いてあげること、と最初に教わりました。聞いて答えを求める方々も多いだろうけど、答えを出す必要は無い。悩みなどは人それぞれが自分で答えを決めていて、それを後押ししてあげるだけでいい。と教わりました。
  ついつい私たちは反対したり、非難したりします。それよりも、真剣に聞いてあげれば、話しているその人はこころ穏やかになれるのです。皆さんも批判したり、話の腰を折らず聞いてあげてください。もちろん、十善戒の不妄語・不奇語・不悪口・不両舌は皆さん言わないよう心がけてください。聞いている人も不愉快にならずに暮らせます。
心穏やかに聞く  耳を澄ます04
  親類や知人の法事などの時、お経を聞いている方の中で、ときどき、うとうとと居眠りをされている方がおられますが、皆さんの中にも、そういう経験がありませんか?お坊さんのお経を聞いていると、ついつい、と時折聞きますが、お経はこころ穏やかになり、いのちを宿したお母さんのお腹の中で聞いた声や子供の頃の子守謳のようにこころの安心を得られるからこそです。
泉福寺の梵鐘  耳を澄ます05
  このお寺の釣鐘は、東大寺の勧進で有名な重源さんが作った釣鐘があり、この鐘の音が静かな山の中で聞こえるところから、耳の祈願所になっています。和歌山県最古で国の重要文化財に指定されていますが、小さくて決して良い音を響かしている訳ではありません。しかし、この山あいの静かな場所でこそ安らぎを与えることが出来ます。都会での雑音に遮られず、小鳥の鳴き声や風や清流の声、聞こえる鐘の音に安らぎを得ることが出来るのです。それこそが子守謳やお経の声と同じです。皆様も自然の音をたっぷり堪能して、自然の響きを聞きに来てください。いつでも自然は皆様をお待ちしております。